相続した家と土地 どうする診断 5つの質問で診断する
期限のはなし

親の家の名義変更、
2027年3月31日が期限です

公開: 2026年8月17日

「実家の名義、まだ父のままだと思う」。そう思い当たった方は、この記事の内容が当てはまります。 2024年4月から名義変更は義務になり、何十年も前に相続した分もさかのぼって対象になりました。

先に結論だけ 2024年3月31日以前に相続した不動産は、2027年3月31日までに名義変更(相続登記)が必要です。 それ以降に相続したものは、相続を知った日から3年以内。 正当な理由なく放置すると、10万円以下の過料を求められることがあります。

いつまでにやればいいのか

期限は、相続がいつ起きたかで変わります。

相続が起きた時期いつまでに名義変更するか
2024年3月31日以前
(何十年も前を含む)
2027年3月31日まで
2024年4月1日以降相続を知った日から3年以内

大事なのは上の段です。この法律はさかのぼって適用されます。 30年前に亡くなったお父さまの名義のままの土地も、40年前のお祖父さまの名義の田畑も、 すべて2027年3月31日が期限になります。

なぜこんな法律ができたのか。持ち主が分からない土地が全国に増えすぎたためです。 その面積は九州本島とほぼ同じと言われています。 道路を通そうにも、災害の復旧をしようにも、持ち主に連絡がつかないと何もできません。 その解消が目的です。

放っておくと本当に困るのは、過料ではない

10万円以下の過料という数字が目を引きますが、実際に困るのはそこではありません。

名義が亡くなった方のままだと、その不動産は何もできない状態になります。

つまり、手放したくなったその時に、動けないということです。 施設に入る費用が必要になった、子どもに引き継ぎたい、 そういう場面で初めて名義の問題に突き当たる方が非常に多くいます。

固定資産税は名義に関係なく請求されます 名義変更をしていなくても、固定資産税の納付書は届きます。 「使っていない、売れない、でも税金だけ毎年払っている」という状態が、 名義を放置した家で最も起きやすい形です。

代替わりが進むほど手続きは重くなる

名義変更を先延ばしにすると、手続きは年々重くなります。理由は相続人が増えるからです。

たとえば、お父さまが亡くなって名義をそのままにしていたとします。 その間にご兄弟の一人が亡くなると、その方の配偶者やお子さんも相続人に加わります。 これが二代、三代と重なると、会ったこともない親戚が相続人になっているということが実際に起きます。

名義変更には、原則として相続人全員の同意が必要です。 人数が増えるほど、連絡がつかない人、印鑑をもらえない人が出てきます。 そうなると裁判所の手続きが必要になり、費用も時間も跳ね上がります。

いま動くのが、いちばん安く済みます 相続人が少ないうちに手続きを終えるのが、費用の面でも手間の面でも確実に有利です。 「そのうちやろう」と思っている間に、関係者が増えていきます。

話がまとまらないときの逃げ道

「兄弟で分け方が決まらない」「連絡のつかない親戚がいる」。 こうした事情で名義変更が進まない場合、そのまま期限を迎えてしまうのかというと、そうではありません。

相続人申告登記という簡易な手続きが用意されています。 「自分はこの人の相続人です」と法務局に申し出るだけのもので、 これをしておけば過料は避けられます。 遺産の分け方がまとまっていなくても、一人でできます。

ただしこれは応急処置です。正式な名義変更の代わりにはならないため、 話がまとまり次第、あらためて登記が必要になります。 それでも、期限に追われている状況では有効な選択肢です。

まず何から手をつけるか

順番はこうなります。

  1. いまの名義を確かめる — 法務局で登記事項証明書を取ります。 窓口でも郵送でもオンラインでも取れて、1通あたり数百円です。 権利証が見つからなくても、住所か地番が分かれば取得できます
  2. 相続人が誰かを確かめる — 亡くなった方の戸籍を、出生までさかのぼって集めます。 ここが一番時間のかかる作業です
  3. 分け方を決める — 相続人全員で話し合い、遺産分割協議書にまとめます
  4. 法務局で登記する — 書類が揃えば申請します

ご自分でもできますが、戸籍集めで止まる方が多いです。 相続人が多い場合や、代替わりが進んでいる場合は、 はじめから司法書士に頼んだほうが結果的に早く安く済むことがあります。

手放すつもりなら、順番が変わります 「どうせ使わないから売りたい」「引き取ってもらいたい」という場合でも、 名義変更は先に必要です。名義人でなければ売れないためです。 ただし、そもそも売れる土地なのか、国に引き取ってもらえるのかによって、 かける費用の判断が変わります。先に見通しを立てておくと無駄がありません。

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よくある質問

何十年も前に相続した家も対象になりますか?

対象になります。2024年4月1日より前に発生した相続にもさかのぼって適用され、 その場合の期限は2027年3月31日です。祖父母の代の名義のままになっている土地も含まれます。

名義変更をしないと、どうなりますか?

正当な理由なく期限を過ぎると10万円以下の過料を求められることがあります。 それ以上に困るのは、名義が亡くなった方のままだと売ることも貸すことも 担保に入れることもできない点です。

遺産の分け方がまとまらない場合はどうすればよいですか?

相続人申告登記という簡易な手続きがあります。「自分はこの人の相続人です」と 法務局に申し出るだけで、過料は避けられます。ただし正式な名義変更の代わりには ならないため、話がまとまり次第あらためて登記が必要です。

自分でも手続きできますか?

できます。ただし戸籍を出生までさかのぼって集める必要があり、 相続人が多い場合や代替わりが進んでいる場合は時間がかかります。 集める書類の量に不安があれば司法書士に依頼するのが確実です。

売るつもりでも名義変更は必要ですか?

必要です。名義人でなければ売買契約を結べません。 買い取ってもらう場合も同じで、先に名義を自分に移す必要があります。