相続した家と土地 どうする診断 5つの質問で診断する
解体するかどうか

空き家を壊すと、
固定資産税が上がります

公開: 2026年8月17日

誰も住まなくなった実家。「古いから壊してから売ったほうがいい」と考える方は多いのですが、 更地にすると土地の固定資産税が最大6倍になります。 かといって、放っておけば安いままかというと、そちらも事情が変わりました。

先に結論だけ 建物を壊すと税の軽減が外れて土地の固定資産税は最大6倍。 しかし傷んだまま放置しても、行政の指定を受ければ同じように外れます。 「壊さずに置いておけば安い」という前提は、もう成り立ちません。

なぜ壊すと税金が上がるのか

住宅が建っている土地には、固定資産税を軽くする特例があります。 住宅用地の特例と呼ばれるもので、住むための建物が建っていることが条件です。

土地の広さ固定資産税の課税標準
200平方メートル以下の部分6分の1に軽減
200平方メートルを超える部分3分の1に軽減

この特例は建物があることが前提です。 取り壊して更地にすると特例が外れ、土地の固定資産税は最大で6倍になります。

ただし注意したいのは、支払総額が6倍になるわけではないという点です。 建物にかかっていた分の固定資産税はなくなるためです。 古い家は建物の評価額が下がっているので、 実際の増え方は土地と建物のバランスで変わります。 正確な金額は市区町村の窓口で確認できます。

放置しても上がるようになった

以前は「壊すと税金が上がるから、そのままにしておこう」という判断が成り立ちました。 ここが変わっています。

管理されていない空き家は、行政から指定を受けることがあります。

これらに指定されて勧告を受けると、建物が建っていても住宅用地の特例が外れます。 つまり、壊しても外れる、放置しても外れる、という状況になりました。

管理不全空家という区分が効いています 以前の「特定空家」は、倒れかけているような状態が対象でした。 2023年に加わった「管理不全空家」は、そこまで至っていない段階で指定できます。 草木が伸び放題、窓が割れたまま、といった状態が続くと対象になり得ます。 「まだ大丈夫」と思っている家が入ってくる区分です。

壊してから売るのが向いている場合

それでも解体してから売ったほうがよい場合があります。

ただし解体費用は先に自分で払うことになります。 建物の構造や広さ、そして道の広さで金額が変わります。 重機が入れない細い道の奥にある家は、人手で解体することになるため割高になります。

そのまま売るほうが向いている場合

逆に、建物を残したまま手放したほうがよい場合もあります。

こうした場合、傷んだ家や条件の悪い土地を専門に買い取る会社があります。 一般の不動産屋が仲介で扱うのは、買い手が見つかりそうな物件です。 買い取り会社は自分で買い取るため、買い手を探す必要がありません。 その分、価格は市場価格より下がりますが、費用の持ち出しなしで手放せます。

先に金額を知ってから決められます 解体するかどうかは、「そのままだといくらか」を知ってからのほうが判断できます。 査定を頼んでも、その場で売る義務はありません。 解体費用の見積もりと、そのままの状態での買い取り価格。 この2つを並べれば、どちらが手元に残るかがはっきりします。

判断の順番

迷ったときは、この順で確かめてください。

  1. 名義を確かめる — 亡くなった方の名義のままだと、売ることも解体を契約することもできません
  2. そのままの状態での買い取り価格を聞く — 費用がかからないので、最初に確かめるべき数字です
  3. 解体費用の見積もりを取る — 複数社から取ってください。道の広さで大きく変わります
  4. 並べて比べる — 「解体後の売却価格 − 解体費用」と「そのままの買い取り価格」。 手元に残る額で比べます
  5. 固定資産税の変化を市区町村に確認する — 更地にした場合の税額は窓口で教えてもらえます

2番を飛ばして解体を決めてしまう方が多いのですが、 順番を守るだけで数十万円から数百万円の差が出ることがあります。

壊すべきか、そのままがよいか

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よくある質問

更地にすると固定資産税はどれくらい上がりますか?

住宅が建っている土地には課税標準を軽くする特例があり、 200平方メートル以下の部分は6分の1に抑えられています。 建物を壊すとこの特例が外れるため、土地の固定資産税は最大で6倍になります。 ただし建物分の税金はなくなるため、支払総額が単純に6倍になるわけではありません。

放置しておけば税金は安いままですか?

そうとは限りません。管理されていない空き家は行政から「管理不全空家等」や 「特定空家等」に指定されることがあり、勧告を受けると建物が建っていても特例が外れます。 放置が安全な選択とは言えなくなっています。

傷んだ家でも、そのまま買ってもらえますか?

買い取り専門の会社であれば、傷んだ状態のままでも取り扱う場合があります。 価格は下がりますが、解体費用を自分で負担せずに手放せる点が違いです。

解体費用はどれくらいかかりますか?

建物の構造・広さ・立地で大きく変わります。重機が入れない道の狭い土地では割高になります。 金額の目安は必ず複数社の見積もりで確かめてください。

解体の補助金はありますか?

市区町村によっては老朽化した空き家の解体に補助制度を設けている場合があります。 金額や条件は自治体ごとに異なり、予算がなくなり次第終了することもあります。 お住まいの、または物件のある市区町村の窓口でご確認ください。